配偶者に先立たれた後の生き方を考える時に必要な手続きとは?

姻族関係終了届と復氏届の違い

ある日、突然夫を亡くした山本さんの事例です。

夫は、まだ40歳と働き盛りの時に過労で急死してしまいました。

急な死で気持ちの整理もつかないまま、亡き夫の両親の介護を月に3、4回ほどしていました。

しかし、自分の両親も歳を取っていく中、亡くなった夫のお世話をしていくことも大きな負担を感じられていました。

夫はもういないのに、義理の娘である山本さんがずっとこのまま面倒を見るべきなのだろうか?

でも、ご両親にはお世話になったし…
と、長年なかなか決められずにいました。

夫の13回忌の節目を迎えたとき、ふと、自分の顔を鏡で見た時に、

「自分もこんなに歳を取ったのか」と亡き主人の高齢の両親みながら、自分自身も歳を取っていく現実に直面し、『もっと自分の人生を悔いのないように自分らしく生きていきたい!』と思うようになりました。

そこで、復氏届と、姻族関係終了届というものがあることを知りました。

山本さんは、義理の両親の介護をする義務を失くそうした場合、どちらの手続きをやればいいのでしょうか?

復氏届とは?

復氏届は婚姻や養子縁組によって氏(姓)を改めたものが、婚姻または縁組の前の氏(姓)に復することを言います。

離婚・離縁した場合や配偶者が死亡した場合に旧姓に戻る手続きのことです。

姻族関係終了届とは?

姻族関係終了届は、配偶者の死後に継続される、配偶者の血族との姻族関係を終了させる手続きです。
配偶者が亡くなった後に、これ以上亡き配偶者の親兄弟、そのほかの親戚との縁を続けたくない場合は「姻族関係終了届」を、本籍地または居住地の市長区村に提出すれば、婚姻関係を解消することができます。

姻族関係終了届は配偶者の血族などの了承は必要?

姻族関係終了届は、本人の意思のみで提出できますので、血族の了承を得る必要はありません。

配偶者の死亡届の提出後は、いつでも届け出ることができます。

離婚は婚姻関係も姻族関係も自動的に終了しますが、配偶者のどちらかが死亡した場合は、婚姻関係は終了しますが、配偶者の親兄弟などの姻族関係は継続し、扶養義務も継続します。

配偶者が死亡して新たな人生を送りたい!と考える場合は姻族関係終了届が必要です

今回の相談の場合は、復氏届だけでは、姻族関係は終了しません。

姻族関係終了届を提出する必要があります。

復氏届を出せば関係は終わりと思い、姻族関係終了届を出さないままの場合もあるので注意が必要です。

姻族関係終了届を提出しても遺族年金もらえます

復氏届を出して旧姓に戻り、姻族関係終了届を提出しても、再婚をしない限り亡くなったご主人の遺族年金は引き続き受け取ることができます。

自分の専門外の相談にも対応できるのが相続手続カウンセラーです!

相続手続カウンセラー協会では、相続をきっかけに家族がスムーズに再スタートを切り、さらに家族が繁栄していって欲しいと願っています。

そのためには、まずは、サポートする側がしっかりした知識を得て、ケースに応じて適切なアドバイスが出来るようになることが大切だと思っています。