公営住宅の使用権は相続できない?公営住宅を使用する権利とは?

続の対象になるものは幅広く、その数は現在108種類あります。

このブログでは、相続を専門としている司法書士、行政書士、税理士、FP、宅建士が、自分の専門分野以外だったために、知らなかった事例を紹介していきます。

MEO

公営住宅を夫の名義で借りていましたが、夫が亡くなってしまいました。
30年以上一緒に住んできて、私は相続人になります。
夫名義でも、相続人である私には使用権があり、承継されるものだと思っていたのですが、公営住宅の使用権は相続できるのでしょうか?

相続の現場では、このようなご相談を受けることも度々あります。

今回は、公営住宅を借りていた世帯主が、亡くなった時の使用権についてお伝えしたいと思います。

公営住宅の使用権は相続できない

入居者(借主)が死亡した場合、相続人が公営住宅を使用する権利は、承継されません。

「公営住宅の定義とは?」
 公営住宅法は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするものであって(一条)、そのために、公営住宅の入居者を一定の条件を具備するものに限定し(一七条)、政令の定める選考基準に従い、条例で定めるところにより、公正な方法で選考して、入居者を決定しなければならない【最高裁平成2年10月18日判決(民集44巻7号1021頁)】
とあります。

「相続での公営住宅の使用権が認められない理由」

公営住宅法の規定の趣旨にかんがみれば、入居者が死亡した場合には、その相続人が公営住宅を使用する権利を当然に承継すると解する余地はないというべきである。
【最高裁平成2年10月18日判決(民集44巻7号1021頁)より】
という判決が最高裁で出ています。

公営住宅においては、長期入居者と新たに入居したい応募者との公平性が、損なわれないようにという考えから、相続の対象にならないとされています。

よって、相続がきっかけで退去しなければならないこともでてきます。

これまで住んでいたからと言って、当たり前のように住み続けることができないということが、民間の賃貸住宅とは違う所です。

この点は、しっかりと知ったうえでアドバイスできるようにしたいものです。

国土交通省のガイドライン

国土交通省は平成17年に、公営住宅の入居承継の親族要件を「原則として配偶者のみとし、親子間の入居承継を認めない」とする通知を行なっています。

このガイドラインは法的な拘束力はないのですが、国の見解としてのガイドラインはありますが、判断は各自治体に委ねられています。

もし、入居承継をしたいと考える場合は自治体へ相談するといいでしょう。

自分の専門外の相談にも対応できるのが相続手続カウンセラーです!

相続手続カウンセラー協会では、相続をきっかけに家族がスムーズに再スタートを切り、さらに家族が繁栄していって欲しいと願っています。そのためには、まずは、サポートする側がしっかりした知識を得て、ケースに応じて適切なアドバイスが出来るようになることが大切だと思っています。