相続相談事例集:知らなかったEdyの残金

奥様を亡くされたYさんが相続手続きを依頼されました。その中に、ゆうちょ銀行の解約手続きがあったため、通常通り、郵便局に確認表を提出し、相続書類を取り寄せました。すると、そこにはYさんも知らないEdyの記載があったのです。

亡き奥様のゆうちょ銀行のカードはEdyの機能がついたカードでした。Edyの機能がついていたことを全く知らなかったYさんは首をかしげていました。送られてきたゆうちょ銀行からの書類には、「Edy残高がある場合は、残高を使い切ってからお手続きください」と書いてありました。

このEdyのカードは、プリペイド式で事前に入金(チャージ)をしてお店などで使用するタイプのものでした。郵便局によると、入金している残高は、相続手続きが完了してしまうと引き出すことができなくなるとのことでした。その旨をYさんに伝え、Edyを使えるお店で残金を使ってもらいました。残金は3,000円ほどあったそうで、「事前に伝えてもらって、本当に良かった」とおしゃっていました。

最近は電子マネーが増えてきています。知らずに相続手続きをしてしまい、本来使える電子マネーを引き出せずに不利益を被ることがないよう、確認する必要があると感じました。

Check!【電子マネーの取扱い】

電子マネーは、
 ①プリペイド式 (限度額内で、あらかじめチャージ)
 ②デビッド式 (レジで購入時、銀行の口座から同時引き落とし)
 ③ポストペイ式 (クレジットカードと連動)
の3つのタイプがあり、それぞれ、カードタイプとモバイルタイプ(スマホにインストールするタイプ)がある。

②と③は、サービス内に固有の資産が残っていないため、銀行口座やクレジットカードを止めればよい。
一方、①の中にチャージされているお金は相続財産となる。チャージできる限度額は2万円~5万円の電子マネーが多いが、au PAYの場合は100万円が上限となっている。

○○ペイは一身専属性のため、規約上は相続できないとなっているが、遺族が問合せをすれば、必要書類を確認の上、指定口座に残金を払い戻してくれるところが出てきた(LINE Pay、Pay Pay共に、2021年1月に規約変更)。

各社とも、まだまだ相続に対する対応が確立していないのが実状。まずはカスタマーサービスなどに問合せをするところから始めてみよう。